庭の片隅にナガミヒナゲシの少しくすんだサーモンオレンジの花を発見。道端でよく見かけるポピーの仲間です。
ひょろっと伸びた茎の上で 揺れる薄い花弁は儚げでとてもかわいいです。
雑草ばかりのうちの庭ですがナガミヒナゲシは昨年までは咲いていませんでした。なので我が家の庭的には今年初登場の「新人さん」になります。
ナガミヒナゲシの種と毒性
ナガミヒナゲシの果実です。果実の形がかわいい♪と言いたいところですが・・・この種 ちょっと怖いんです。
ナガミヒナゲシの種の怖さ
この中にものすごく小さな「種」が1000~2000個もはいっています。種の大きさは0.7㎜ほどなので 果実の中にぎっしりとグラニュー糖が詰まっている感じですね。しかも未成熟な種でも発芽すると言われています。
そして こぼれた種は、雨や風で運ばれたり、車のタイヤや靴にくっついたりして道路周辺にドンドン拡散していきます。
ナガミヒナゲシを育てたい場合は、この種を庭に撒いておけば簡単に増やすことができます。
可愛い花ですが アメリカフウロやカラスノエンドウ、マツバウンラン同様、繁殖力が強い雑草ですので、庭で育てるときは注意してくださいね。とにかく繁殖力は「超S級」です。
ナガミヒナゲシの毒性
「ケシ」と言えば「大麻アヘン?」「ひょっとして違法?」とか心配になったりしませんか?
今 ナガミヒナゲシは日本中でドンドン繁殖をしていっていますので少しでも毒性があったら大変ですよね。
でも大丈夫。ナガミヒナゲシや園芸種のポピーには毒性はなく法に触れるものではありません。もしもお子様が道端のナガミヒナゲシを摘んで帰ったら安心して一輪挿しに飾ってあげてください。
ナガミヒナゲシとアレロパシー
ナガミヒナゲシはアレロパシー効果のある物質を出すことでもよく知られています。アレロパシーとは 他の植物の成長を妨げたり、特定の微生物を引き寄せたり遠ざけたりする作用のことです。
ナガミヒナゲシからは他の植物の成長を妨げるの物質が出ているので他の植物が育たなくなってしまうんです。
なので 在来の生態系に影響があるということでナガミヒナゲシの駆除の協力を呼び掛けている自治体もあります。危険外来種として指定されてはいませんが、
・繁殖力が強いことで知られるセイタカアワダチソウ
や
・秋の花粉症の原因として注目されているブタクサ・オオブタクサ
と同じくらい迷惑だという意見もあります。
>>セイタカアワダチソウ・ブタクサ・オオブタクサの違いはこちらのブログで説明しています
正直ナガミヒナゲシだけを集中攻撃するのも違う感じがします。のでナガミヒナゲシが好きなら育てるのもアリだと思います。必要以上に種が飛び散らないように、花が散ったらこまめに茎ごと切ってゴミとして処分するといいのではないでしょうか。
たとえば畑周辺にひまわりを植えているのを見たことはないでしょうか。ひまわりには雑草を抑える働きがあります。
トマトや馬鈴薯の近くにはマリーゴールドを植えることがあります。マリーゴールドにはネグサレセンチュウやオンシツコナジラミを防ぐ働きがあるといわれています。
「人間にとって」役にたつアレロパシーもあるし、困るアレロパシーもあるという事ですね。
ナガミヒナゲシのオレンジの花と葉
ナガミヒナゲシの花
「ナガミヒナゲシ」はケシ科ケシ属。花の時期は5月。花は、朝咲いて夕方には散ります。その後すぐに実をつけます。繁殖力が強い雑草にありがちな俊足タイプの結実コースですね。
花の色は好みにもよると思いますが、「鮮やか」というよりも「幾分シック」な感じのサーモンオレンジです。落ち着いた花色なので、花器に活けたりアレンジメントに使えればいいんですが、あっと言う間に萎れてしまいますので ちょっと無理なのが残念です。
ナガミヒナゲシの葉
ナガミヒナゲシの葉です
葉はロゼット状態で冬を越します。お花同様 かわいい形ですね。

2019年5月17日 加筆修正
おわりに
わーいナガミヒナゲシの花だ~♪かわいい~♪
珍しい花が庭で揺れていると嬉しいものです。
けど ごめん。うちの庭 今 繊細な雑草さんを育成中なのよ~。
ということで うちのナガミヒナゲシさんは 引っこ抜いてしまいました。
大丈夫! 丈夫な草だから きっとまたやってくる!
コメント
大麻は大麻草です
一部のケシから作られるのはアヘン、それを精製したヘロインです
モルヒネの原料でもあります
匿名様。こんにちは。文章の一部にミスがあったのですね。訂正をさせていただきます。ご指摘ありがとうございました。